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臼蓋形成不全に対しての対処法とピラティス

股関節の問題の中で、臼蓋形成不全という言葉を聞く機会は多いのではないでしょうか?

一方で、臼蓋形成不全に対して、どのような股関節の動きに気を付けるべきか、明確でないことも多いかと思います。

 

そこで今回は臼蓋形成不全といわれた場合にどのような点に注意すべきか、

またどのような運動が勧められるかについてお伝えしようと思います!

臼蓋形成不全とは

臼蓋形成不全とは、股関節の臼蓋と呼ばれる骨盤側のくぼみがうまく作られておらず、

大腿骨のはまりが浅い状態です。

 

それにより股関節の一部に過剰なストレスがかかりやすくなり、関節の変形などが生じやすくなってしまいます。

 

いかにこのストレスを減らして変形性股関節症に移行させないかを考えることが重要となります。

股関節の被覆率

大腿骨頭がどの程度寛骨臼に収まっているかの割合を骨頭被覆率といいます。

股関節の被覆率は骨盤の傾斜角度と関係があり、骨盤が前傾すると被覆率は上がり、

後傾すると被覆率は下がります。

 

つまり、臼蓋形成不全の場合はいかに骨盤後傾姿勢を防ぎ、被覆率を高めるかがポイントです。

臼蓋形成不全と前捻角

臼蓋形成不全による変形性股関節症を有する方の前捻角は強いと報告されています。

 

前捻角が強い場合、股関節を内旋させることで骨頭被覆率が上がりますが、

骨格特性を無視して無理な外旋の練習などを繰り返してしまうことで、

大腿骨頭に負荷がかかってしまうことが予測されます。

 

特に臼蓋形成不全があるとなおさら大腿骨頭への力学的ストレスが増えやすいため、

前捻角に合わせた股関節の使い方を意識することが重要です。

臼蓋形成不全と姿勢

臼蓋形成不全の方は普段の姿勢でも股関節に負担のかかる立位姿勢は避けた方が無難です。

特に骨盤が後傾するようなスウェイバック姿勢と、

股関節の外上方へ負担のかかるような片脚によりかかるような休めの姿勢は控えた方が良いです。

 

股関節のニュートラルポジションを意識し、骨頭の安定した姿勢でいるようにしましょう。

股関節の安定性を高めるためには

股関節の安定性を高めるためには、骨盤・大腿骨をニュートラルで保つことが重要です。

特に腸腰筋は骨盤を前傾させる主動作筋であり、股関節を安定化させるために必須です。

その他股関節周囲、姿勢を保つ体幹筋群も働けるようにしましょう。

 

ピラティスのエクササイズを選択するのであれば、

骨盤前傾と左右の骨盤の高さをキープしながら下肢の運動をコントロールさせるエクササイズなどがおすすめです。

まとめ

・股関節の被覆率を高める

 ー 骨盤後傾を予防する

 ー 大腿骨前捻角を考慮した動きを

 

・股関節を安定させる筋肉を鍛える

 ー 腸腰筋、殿筋群、深層外旋六筋など

 ー 骨盤を安定させる体幹

 

・不良姿勢(Sway back、片脚への荷重偏移)を避ける