側弯症について、遺伝的な要因とひとまとめにされることがほとんどですが、
実際は遺伝以外の要因で側弯が生じているケースも非常に多いです。
側弯症については、医療機関では経過観察しかできずに何をしたら良いのかわからず、
整体やピラティススタジオで対応することもあるのではないでしょうか?
その際にどのような視点で対応すればよいのか、今回は特に何かしらの二次的な要因で起きる
機能性側弯症についてお伝えしたいと思います。
1.機能性側弯症とは?
機能性側弯症とは、何かしらの要因によって二次的に生じる脊椎の椎体に変形を認めない側弯症です。
基本的にはその原因を取り除けば解決できる一時的な側弯状態のことですが、その状態が長期間持続すると椎体の変形を伴う構築性側弯症へ移行するケースも多いです。
原因が明確にならないと、対症療法的なことしかできませんので、原因追求が重要となります。
2.脚長差と側弯症
下肢の長さの左右差により、骨盤の高さの左右差が生じ、それに伴い腰椎の弯曲、バランスを取る形で胸椎の弯曲も生じてきます。主なカーブは腰椎であることが多くなります。
ただし、側弯症が先でそれに伴う機能性脚長差がある場合もあるため見極めが重要です。
適切に評価し必要に応じて、インソールや靴の調整を行いましょう。
当スタジオでは簡易的なインソールの提供は行っていますが、本格的なインソールや靴の調整をご希望される方は
提携している整形靴専門店へ申し送りを行っています。
3.股関節の形状と側弯症
股関節の形状に左右差があることで、特に歩行時の骨盤の代償が生じ、それが機能性側弯症に繋がっているケースも多いです。
代表的な例として、前捻角や股関節のインピンジメントがあります。
これらによりうまく股関節の分離運動ができなかったり、痛みによる逃避姿勢が出たりすることで腰部の側弯に繋がる可能性があります。
股関節の形状に合わせた動き方を身につけることが重要です。
4.頭蓋骨、顎関節と側弯症
側弯症のうち、特に頸椎から上位胸椎にかけてもカーブが生じるトリプルカーブと呼ばれるパターンでは、頭蓋骨や顎関節の影響を受けていることがあります。
頭蓋骨の形状の左右差や咬み合わせの左右差により、頭の位置(頭位)が左右へ偏倚します。それに伴い側弯が生じるケースも多いです。
頭の形や咬み合わせの左右差が生じている可能性も丁寧に評価し、必要に応じて歯科などと連携することも必要です。
5.スポーツと側弯症
スポーツによる偏った動作の反復が側弯に影響を与えることが知られています。
クラシックバレエ、新体操、水泳、陸上競技などと側弯が関係があると報告されています。
特に成長期までの骨格が成熟していない時期における反復した身体へのストレスは構造を変化させますし、運動パターンは学習されてしまうため、反対方向、苦手な方向の動きの練習も十分に取り組むなどのコンディショニングが重要です。
以上のように機能性側弯症には様々な要因があり、1人1人に合わせた評価に基づいた運動指導が必要です。
当スタジオでの側弯トレーニングでは、これらの要素をしっかりと評価し対応していますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。